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【登壇報告】「第5回SaMD産学官連携フォーラム」にて機構長 島原が講演〜生成AI時代の社会実装に向け、規制・制度・産業振興の課題を議論〜

2025.09.24

9月12日に、機構長の島原が、プログラム医療機器(SaMD)の早期実用化と産業振興を目的とする「第5回SaMD産学官連携フォーラム」に登壇しました。今回のテーマは「SaMDの社会実装に向けた課題解決」であり、産学官の多様な関係者が一堂に会し、AIを活用したSaMDを中心に薬事審査や制度設計、保険償還のあり方について活発な議論を行いました。

島原の講演ポイント

「第二部『AIを利用したSaMD』の薬事規制の在り方」に登壇した島原は、日本における薬事規制と社会実装の将来像について以下の提言を行いました。

  1. 国際動向の活用
    欧米および韓国で進む生成AI規制の最新動向を紹介し、日本の制度設計に反映すべき視点を提示。
  2. ガイドラインと社会啓発の両立
    生成AIに関するガイドライン整備を業界内にとどめず、一般社会に向けた理解促進・啓蒙活動を並行して進める重要性を強調。
  3. オープンで流動的な議論の場
    委員会等にスタートアップを積極的に参画させ、議論の経過をオープンに共有する仕組みを提案。技術・制度が急速に進化する環境に柔軟に対応する必要性を示しました。
  4. 進化型の制度運用
    規制を固定化するのではなく、改善を繰り返す「進化型」の制度運用を提唱。産官学の協力により継続的な制度改善のループを構築する重要性を訴えました。
  5. 実装を支える制度基盤の強化
    保険制度を含む審査・相談体制の強化や、医師・スタートアップが参画しやすい環境づくり、そして継続的な対話の場の整備を呼びかけました。

総合討論の論点

総合討論では、グランドビジョンのもとに産業振興のゴールを明確にすること、そして日本における保険償還の重要性についても活発な議論がなされました。制度整備と産業振興を両輪としたアプローチの必要性が改めて確認されました。

今後の展望

本フォーラムは、国際動向を踏まえつつ「社会啓発」「オープンガバナンス」「進化型運用」を柱に、SaMDの社会実装を加速する議論が期待されます。当社は今後も、産官学のパートナーと連携し、持続可能で革新的な医療システムの実現に貢献してまいります。